愛と憎

□4話
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しばらくすると引っ張られる感覚は弱くなって、ほのかに春の匂いが鼻腔をくすぐって、びゅうっと風が吹いた。


ゆっくり目を開けたあたしの視界は茶色。

「ぅおっ!!」

思わず後ろに下がる。

木だった。大きな大きな木。
不思議な神聖な気を放っていた。

しばらくボーッと見入っていたあたしは、ハッと我に返って辺りを見回す。

「なに・・・コレ」

辺り一面、木、木、木。いわゆる森ってやつだ。

「ここ何処よ・・・」

あたしは祠の中に入ったはず。っていうか、引っ張られたんだけど。
それが・・・なんで外?なんで野外!?
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