愛と憎

□3話
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「お邪魔しました〜」

夕暮れどき、神社の隅の家から結芽が出てきた。

「かごめウチにいなくてごめんなさいね。また遊びに来てちょうだい」

「はい、ありがとうございます。さようなら」

玄関でそう挨拶して、帰路に着いた。





あの時、まっすぐ家へ帰ればよかったんだ。

せめて寄り道せずに神社を出ていたら・・・
あんなにたくさんのモノを失わずにすんだ。




もう一度あの日に戻れたら・・・

そうすれば母が望んだように"普通の人間"として生きていくことができたのに。
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