□SouthOrange
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【secret comrade】





「最近山本武が雲雀君を見る時の目付きが不穏な気がします」

「そう?」

「きっとあれは山ヒバを狙っている目付きです」

「…山ヒバって君さあ…」

「あの目は獲物を狙う狩人、いえ殺し屋のそれです!」

「考え過ぎじゃない?」

「いいえ、そんなことはありません。雲雀君はもっと危機感を持つべきです。だって僕が暇潰しに雲雀君を盗撮していると必ず山本武の鋭い視線を感じるんですよ。あれはきっと俺の獲物を横取りするなという…」

「ちょっと待ちなよ。君今なんて言った?」

「だから山本武の鋭い視線…」

「その前」

「雲雀君を盗撮…あ」

「咬み殺…」

「だ、だって雲雀君仕事ばっかりで僕に構ってくれないんですもん!!」

「だからってやっていいことと悪いことがあるでしょ」

「山本武もカメラ持ってました!!」

「…」

「嘘じゃないです!雲雀君、僕のこの目が嘘をついているように見えますか?」

「君マインドコントロールとか出来るんでしょ。信用出来ない」

「ひっ、酷いです雲雀君…」

「君の日頃の行いが悪いからだよ」

「…クフン、結構傷付きました…。いいです、僕が山本武に直接問いただしてきますよ!」

「え、ちょっと骸」


バタンッ!!














ガラガラガラッ!!

「山本武!!2、3訊きたいことがあるのでちょっとお邪魔しますよ!!」

「骸が来るなんて珍しいのな。でも窓から入ってくるのは危ないから止めたほうがいいぜ」

「あなたの家の一階は生臭いんですよ!」

「寿司屋だからしょうながないのな」

「知ってますそんな事!ちゃんと看板見ました!」

「ははっ、そうか。で、訊きたいことって何なんだ?」

「っ、では単刀直入に訊きますが、君は雲雀君のことを狙っているんですか?」

「?、別にそんなことないぜ?」

「とぼけないで下さい!じゃあどうして僕が雲雀君を盗撮している時…」

「俺は獄寺を撮ってたのな」

「は?」

「ヒバリの近くにいた獄寺を撮ってたのな」

「え…」

「だからヒバリを撮ってるお前を見つけて」

「ちょ、ちょっと待って下さい」

「?」

「では君は…」

「獄寺が好きなのな」

「!」

「だからあの時は『一緒に頑張ろーぜ!』って思ったのな」

「山本武…僕は君を誤解していたようです」

「わかってくれて嬉しいぜ」

バタンッ!!


「ちょっと待ててめぇらっ!!」

「なっ、獄寺隼人!?」

「さっきから聞いてりゃ好き勝手いいやがって、盗撮は犯罪だ!!」

「なぜ君がここに…」

「あっ、いっけね、俺獄寺と自宅デートの約束してたのな」

「ふざけるな野球馬鹿!!ただの勉強会だ、それ以上でも以下でもねえっ!!」

「いいじゃねーか、俺達付き合ってるんだし」

「俺はてめぇと付き合うなんざ一言も言ってねぇ!全部てめぇの妄想だ!!」

「クフフ、随分と仲がよろしいんですね」

「だろ?」

「てめぇら人の話を聞けっ!!!」

「獄寺はツンデレなんだ」

「成る程」

「骸、てめぇもそこで納得してるんじゃねぇよ!!」

「まあまあ落ち着けって獄寺」

「ってめ、誰のせいだと…」

「クフフ、では僕はそろそろおいとましますね」

「ああ、じゃあな…あっ、そうだ今度寿司食いに来いよ。一緒に語ろうぜ?」

「それもいいですね、ではその時僕は雲雀君の写真持ってきます」

「俺も獄寺の写真出しとくのな」

「だから本人の前でそういうこと言ってんじゃねぇよ!!」

「クフフ、それでは山本武 Arrivederci.」

「ああ、また今度な。絶対寿司食いに来いよ骸!!」

「はい、必ず!!」


ガラガラガラッ















「雲雀君、ただいま帰りましたー!!」

「ああ、お帰り…で、どうだった?」

「はい、僕今度竹寿司に寿司食べに行ってきますね!!」

「………は?」











(お土産はヒラメの縁側でいいですか?)
(いや、話が全然繋がらないんだけど)




(終)

あとがき

山獄は全くの予定外でした。
あっ、でもこの場合80→59か?
なんか山本が残念でごめんなさいm(__)m
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