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□バカップル上等
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いやいやいやいやと思いながらも優子の顔は完全にニヤケきっている。
ある記者会見でのほんの些細な事。

まさか公開していちゃついてしまったとは…。
反省反省と繰り返すもやっぱり顔は大きく緩む。

「なーにニヤニヤしてんのー?優子ー」
記者会見が終わって今は楽屋で休憩中。
隣の敦子が優子の顔を覗き込む。
「いやしてないから」
「えー?じゃあなにこれー?」
そう指差す優子の顔は未だニヤケ面。
敦子は悪戯っ子の如く笑う。
「あっちゃんのせいだよー。びっくりしたわーマジで」
飴を口に放り込んでこれまた優子がケタケタ笑う。
敦子は記者に振られてそれに答えている時も、優子にちょっかいを出していた。
「えー、やだったの…?」
敦子がわざといじけてみせると、優子はまた一つ飴を手にして今度は敦子の口に。
むぅー、とむくれる敦子にあーんしてと促す。
「そんなわけないでしょー」
おいしい?と訊く優子に、それを聞いておいしいー!と笑顔の敦子。

嫌なわけないじゃんと優子はその時の事を頭に浮かべる。

嫌じゃない。むしろ、みたいな。


「私たちのただならぬ仲良しっぷりがバレちゃったねー」
えへへと笑う敦子を見て優子は思う。
確信犯的なあっちゃんもかわいいぜ。と。

「これでもう隠さなくてすむよあっちゃーん!!」
「優子大好きーっっ!!!」
私もぉーっ!!とお互いに抱き合う二人。
それを一瞥して向かいの席の小嶋と高橋が同時に深い溜息ひとつ。



「ぱる…どうするこれ…」
「ほっとこうよ…」
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