デュラララ!!

□元気あげるね!
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放課後の誰もいない教室にこっそり忍び込んだ俺は壁に貼り出されてる体育祭の写真を眺めていた。夕陽に照らされてどの写真もとても綺麗なんだけどその中から一枚を抜き出しぼーっと眺める。いつも殺し合いという名の喧嘩をしているあいつが一人で映っている写真だ。

殺し合いをしている間柄なのだが実は俺はどうしようもなくシズちゃんが好きだ。写真を眺めながら『シズちゃん…』と呟く。そっとキスをして裏側に彼のイニシャルを書いた。自分のイニシャルなんて恥ずかしくて書けないから。

シズちゃん、最近元気ないよね。知ってるよ。ずっと見てるもん。後ろの遠い席で。だって近付けばシズちゃんキレるじゃん。ほんとは隣にいたいんだけどさ。シズちゃんが頬杖ついてため息はいてるとさ、なんか俺もブルーになるんだよね。シズちゃんが落ち込んでると調子狂うよ…


あー…もう。ほんとに調子狂う。なんでこんなに気になるんだよ。頼むからいつもみたいにキレてよ。俺のことみて。構ってよ。

イニシャルの隣に『元気出してね!』とピンクのペンで書きこんでシズちゃんの机の中に放り込んだ。恥ずかしい…死にそう。むしろ死にたい。俺はダッシュで教室を出た。顔が赤いのは夕陽のせいだ。そうゆうことにしておく。


えんど。
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