セラムンを探る

□考察その1 なぜ大気は亜美に惚れたのか。
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言わずもがな、大気光はアイドルである。年齢に反した見た目、作中の楽曲もしっとりしていて10代が歌うものとは思えない。ましては大気が作詞を手がけたという。
明らかに年齢不詳、他の2人とも違う。美形設定なのに七三の髪型だし、最初は存在の意義を疑ったのも確かだ。アニメでの性格はきつく、思ったことを率直にいい、なんとも扱いずらいキャラクターである。
セーラームーンはいままでになかった性格のキャラを次々にセーラー戦士として召喚していたときく。はるかとみちるがその代表で、その当時話題となった性同一性障害と同性愛をテーマに生み出されたのではないかと推測する。では、新たに加わったスリーライツの三人にはどのようなテーマがあったのだろうか。

星野のテーマは略奪愛。夜天は男性版ツンデレ。これは予想ついたのだが。またしても大気が謎である。本家では彗星の回にてピックアップされ、他数回大気がメインになる回も見受けられた。
なぜこんなにも大気を押したのか。人気は他のキャラよりも劣っていたのにもかかわらず。
その理由は大気のもつテーマの重要性だと私は考える。答えは大気のキャラソンが教えてくれた。
「力をあわせて」このタイトルがすべてを物語っているように思えてならない。大気のテーマは物語のテーマであり、絶対に欠かすことのできない重要な役割を担っていたのではないか。
他人を信じられず、受け入れることができなかった大気がセーラー戦士達との出会いによって変わっていく。この描写を入れたかったのではないか。おそらくテーマは友情だと思われる。
無印では仲間との出会い、絆。Rでは諦めないということ。これはちびうさがメインとなって書かれている。Sでは破滅と再生。外部戦士の心理がかなり深くまで掘り下げられており、前半の内容の濃さには驚愕する。SSは詳しく見ていないので割愛させていただきたい。勉強不足も甚だしいが、のちに記載したいと思う。そしてスターズのテーマが愛と友情である。一見ただ長いこと続いた番組のように思われるが、テーマを掘り下げて考えてみると非常に起承転結に基づいた作品であることがわかる。

話を戻そう。問題は大気の好みの変化である。大気はアニメで小さい子、所謂幼女と会話をするシーンが多々ある。外見から見たら年上好きかと始めはおもったが実際は幼女好きである。幼女が好きならちびうさやほたる、ちびちびがいるじゃないか。ごもっともである。しかし、相手は水野亜美なのだ。これは譲れない。アニメでも一緒に映ってるシーンもある。少なからず制作関係の方も意識していたのではないだろうか。アニメ、ドラマ、その他の作品に当たるものは大体余計な描写というのはなく、何かしらの意味を含有するものが多い。また、必要ないと思えるものこそ重要なフラグを担っていたりするものだ。主に推理系で多いのだが。
水野亜美は幼女ではない。同い年である。秀才で多くの才能に恵まれている少女だ。ではなぜ、大気は彼女を選んだのだろうか。また、ファンはこの二人を選んだのだろうか。その謎について考えてみたい。

鏡の法則というものをご存知だろうか。これにはさまざまな解釈があり、ここで説明するには長くなる話だ。あとで個人的にでも調べていただきたい。なぜこの話をするのかというと、鏡の法則の習性が人間の好意を読み取るのにちょうどいいからだ。
認知不協和という習性がある。これは他人の駄目なところ、欠点などに目がいくことを差す。逆にいえば、欠点が愛しいと思ったり、自分にないものに惹かれたりする。
投影という習性は他人の嫌いなところは自分の嫌いなところであり、他人の好きなところは自分の好きなところ。相手に自分自身を投影することからこう呼ばれる。悪く言えば同族嫌悪であるが。
要は、自分にないものを好きになり、自分に似ているものを好きになり、それに反発する性質が誰しにもあるということ。それを前提に考えてみてほしい。

大気光と水野亜美は似ている。それは誰しもが一度は考えたことだろう。しかし本質的なとこは似ても似つかない。だから二人は惹かれあったのだと思う。
確かに共通点は多い。秀才で周りからは一目置かれて育ったため、二人とも友人は少なく、他人に心を開くような幼少期は送ってないと思う。亜美は幼い頃両親が離婚し、母が病院勤めのため、独りで過すことが多かったはずだ。IQも高かったしおそらく小学生のことから塾や勉強ごとばかりしていたのだろう。学校でもうさぎに出会うまでは図書室通いが続いていたとおもわれる。一方大気の方は詳しい描写が書かれていないので想像になるのだが、昔から本ばかり読んでいたのだろう。太陽からは離れた惑星のため気温はあまり高くなく、木々の多い星だったと思う。木陰で夜天が昼寝をしていたり大気が読書をしているのはおそらく故郷を思い出しているのではないだろうか。知識ばかりが多く、人と会話を避けていた大気だ。今となれば、人との接し方も身につけただろうが、昔はそうではなかったと推測する。自分より劣っている人物を見下していたに違いない。
そして、自分の考えを押し付けていたのだろう。現実的で、人より多くのものを見ているからこそ、間違いや失敗が許せないし、他人にも完璧を求めてしまうのだ。

ではなぜ幼女、小さい子には優しいのか。それは、自分に害がないと認識しているためだ。無知で無垢な子供はあれこれ詮索はしようとも深くまでは踏み込んでこない。ある程度自分以外の他人に壁をつくっている大気にとっては重要なことだ。だから本当はアイドルなんて向かないんだと思う。仕事として割り切ってるからこそ続けられてる気もするんだが。大気が心を開いている人物は多くはなく、星野、夜天、プリンセス、うさぎ、そして亜美だろう。もっとも亜美にいたってはアニメではいろいろ確執があったのだから私の手がける作中での話になるのだが。
作中では出会ってからの変化と別れ、再開を取り上げており、惹かれ始めていた時期、その後の恋模様を書かせていただいている。しかし、なぜお互いを選んだのかについてはまったくのノータッチだ。ここではそのことについて少し話そう。

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