main-drrr!!

□たとえば俺が 2
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「君、平和島静雄くんだよねぇ??」


「・・・だから?」


「ほんとにケンカ強いね。そんなんじゃ
周りに人が寄ってこないでしょw」


「喧嘩売ってんのか」


「なってあげるよ。」


「はぁ??」
















        ・・
―「俺が君の最初の友達になってあげる。」

















しずちゃんに初めて会ったとき
俺らが最初にかわした会話。






今思えばあのときのあの一言から
道を踏み外してたんだと思う。










「最初の友達か・・・」






此処は電車の中、
しずちゃんと追いかけあいして
今は8時半ぐらい。
次で新宿に着く。



今日も多分
適当にコーヒーとか飲んで
晩飯は終わりかな・・・














さっきまであんなに楽しかったのに
ワクワクしてたのに
池袋から離れた瞬間
テンション下がりまくり・・・



そんなこと考えてたら
新宿についてた。


「・・・よし、帰ろ。」





マンションまでの道を
てくてく歩いて
途中でちょっとだけコンビニに寄った。


手近の雑誌をとると
『首なしライダーvsカラーギャング』
という見出しの横に
セルティと黄巾賊の接触している
写真があった。



「セルティも大変だね。」


一言つぶやいて
雑誌を置き
コーヒーだけ買って帰った。



マンションについて
ふとドアの方に目をやると・・・










ドアが開いていた。









いや、否。



―ドアが消え去っていた。









「こんなことできるの1人しかいないよね」


自分がワクワクしてるのに気がついた。
だって笑ってるし。








「あのねぇ、ドアの修理代は
ちゃんと払ってくれるよね??






―しずちゃん。」






「よぉノミ蟲。遅ぇじゃねぇかよ。」


案の定そこに
平和島静雄の姿があった。



「コンビニよってたんだよ。
てかなんで此処にいるわけ??w」


「手前と離れたあとよ、
疲れたからもういぃと思ってたんだが・・」


「・・・?」


「なんかつまんねぇし
イライラするから殴りにきた。」


なんだ。



「なにその恋人が 来ちゃった。 って
言うみたいなノリ。」



しずちゃんも一緒じゃないか。




「なにが恋人だよ!!キモイ、死ね!!!」


「大体、俺がいないからって
ドア壊すってなんなの。」


「居留守だと思ってむかついたから。」


「・・・まぁ、ありえるけどね」


「つか早く殴らせろよ。」


「しずちゃん。」


「なんだよ。」







ねぇ、しずちゃんも一緒なんでしょ?

俺と離れてつまんなから此処に
来たんでしょ??



会いたかったんでしょ???







「・・・やっぱりなんもない」





これ、言ったら殺されるよね。
確実に。












一瞬の静寂・・・―













最初にしずちゃんが
口を開いた。






「・・・俺が新宿に来たのが
そんなに嫌かよ。」



「へ??」



いきなりしずちゃんは何を・・・







「て、手前は・・・・俺が嫌いか?///」









しずちゃんの顔が赤い。
耳が赤い。
うつむいて赤面している。












可愛いとか思ったかも。






まさかしずちゃんが
こんなコト言うなんてね。






「嫌いだよ。」






今も昔も。



ずっとずっと
しずちゃんは俺の敵だ。


ずっとずっと



しずちゃんは俺のだ。








「しずちゃんだって嫌いでしょ?」















ねぇ思い出したよ、しずちゃん。


俺としずちゃんが
ここまで仲が悪くなったキッカケを





高校の時・・・確か夏ぐらいに、

しずちゃんが女子としゃべってるの
見てさ。むかついたんだよ。





で、気づいたんだ。




―好きだって。





しずちゃんのこと
好きになってたんだ。きっとかなり前から。



だから俺しずちゃんの周りに
いる人全部、傷つけた。



それで俺は言ったんだ。



『しずちゃんの周りには俺しかいないよ』













あの時からだよね。

会話もろくに成り立たなくなって
見た瞬間ケンカになって、







俺はしずちゃんに嫌われたんだ。









しずちゃんに嫌われることで
俺はしずちゃんを好きな気持ちを
封印したよ。





















でもしずちゃん。

今言ったよね。



『俺のことが嫌いか』って







ずっと前から知ってるでしょ。
俺はストレートに物事を捉えないよ?






それってさ、












「しずちゃん。俺のこともしかして


嫌いじゃなくて――好きなの?」








でも知ってるよ。


しずちゃんが素直じゃないことも、
しずちゃんが自分の気持ちに鈍感なことも。










「はぁぁぁぁあ!!!??///
な、んで俺がお前を好きなんだよっ!!!!」








ほらね。










だからさ、俺はもぅ諦めるよ。


別にしずちゃんが自分の気持ちに
気づかなくていい。
むしろ気づかないほうがいい。



俺達は『嫌い』って理由で
繋がってるんでしょ?
だったらこのままでいいよ。
俺が知ってるだけでいい。


今はまだ
ケンカが俺達の居場所ならそれでいいや。






たとえば生まれ変わったとして
俺もしずちゃんも
もっともっと違う性格だったら・・・
素直になれたら話は別だけど。










ま、俺は無心論者だし大人だから。

『たとえば』なんて信じない事にする。















でもさ、それだと俺だけ辛いし酷だから










これぐらいは許してよね?














「そっかしずちゃんも
俺のこと嫌いなんだね。」



「当たり前だろ!!大体っ・・・なっ!!///」





しずちゃんに口付けてみた。
やっぱり反応がおもしろい。








「まぁ。キスできるぐらいには好きかなw」


「わけわかんね・・・・死ねぇぇえ!!!!//」




















これは歪んだ物語。


























語。





























このあとしずちゃん腹をに
殴られて、2,3日
起き上がるのもままならなかった
というのはまた別の話。
















    


fin   
 

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