小説 silent line -虚空の軌跡-
□第八話『危険な模擬戦』
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朝、おやっさんからの整備終了の知らせを聞き、真っ先に機体を飛ばした。
機体が軽い。
まるで本当に翼を持ったようだ。機体の反応速度、旋回性能、加速性能、可変翼の動作全てが生まれ変わっている。
一通りの動きを試した後、満足げに基地へと帰還する。
部屋に帰るとユリスがいた。
「おはよう♪ご機嫌だね。あなたも、あなたの猫ちゃんも。」
「猫ちゃん?」
「うん。トムキャットだから猫ちゃん。」
「なるほどね。」
昨日のユリスのしおらしい様子は消えていた。なんだか安心した。