お題
□野に咲く花のように。
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例えるならあんたは温室で大事に育てられた薔薇だ。
綺麗だけど棘がある。
それに外を知ることはない。
首をもがれ外へ出されるまでは…
【野に咲く花のように。】
ここ半年の間、北の地奥州は荒れに荒れて俺は政宗の元に行けないでいた。
だがつい数日前奥州での内乱は政宗によっておさめられたと聞いて真っ先に駆け付けた。
米沢城。もう顔パスでも入れるほど俺はこの城に何度も足を運んでいる。
そこでいつもの様に客間に通され出された茶を啜っていると、政務に追われていたのか疲れた様な顔をした政宗がやってきた。
だが、顔に疲れこそ見えるがその美しさは今なお健在で、戦があったというのに傷一つなかった。
「よっ政宗。相変わらずの美人で安心したよー」
開口一番の挨拶でそう言えば政宗は俺の真ん前に座りながらため息をついた。
「あんたは一体何を心配してたんだよ…」
「政宗の心配をしてたんだよ」
ニヘッと笑って見せれば政宗は顔を赤らめ目を逸らした。こういう反応もかわいいと思えてしまう。
「それとも、好きな人の事を思ってちゃいけないのかい?」
胡座をかいた上で頬杖をつきそう問えば、政宗はパッとこちらを向く。
「な、そんな訳じゃあねぇが…」
が俺と視線があった途端また逸らしてしまった。
かわいいんだけど焦れったい。
そこが悩み所である。
「戦があったって聞いて俺いてもたってもいられなかったんだぜ?」
本当なら助けに行きたかった。
だが俺も一応前田の者。歌舞伎者でもさすがに限界がある。
だからこの半年。俺は自分を押し殺し堪えてきた。
だが政宗はそんな事を知らないから、
すぐに疑いの眼差しを俺に向ける。
「そう言ってまだ女の尻を追いかけてたんだろ?」
「そんな事してねェーって!!」
冤罪だと言わんばかりに抗議をするが、
やはり信じてもらえない。
「ったく…
俺には政宗がいるっていうのにどうしてそんな事しなきゃなんだよ?」
ジリジリと政宗に迫るが政宗は後ずさりをして逃げてしまう。
逃がすものかと壁に追い込めばその鋭い目で睨みつけてきた。
「政宗は何回言ったらわかってくれるのかなぁ…。」
目を細め愛しそうに頬を撫でると政宗はまた目を逸らす。
「…わからない政宗には…お仕置きかな?」
ニコッと笑みを浮かべて見れば隻眼を見開いた政宗の顔から血の気が引くのがよくわかる。
素直な反応をするそんな所も大好きだ。
「冗談だよ。」
クスッとそう笑えば政宗はため息をついて目を閉じる。
そんなに嫌だったのか?
と思ったが、目を閉じた政宗のその美しさに見とれてしまい、
気がつけば唇を重ねていた。
重なるだけの軽いキスに政宗は驚き目を見開くが、
俺を誘うように目を細める。
「お前はそんなので満足なのか?」
熱の篭った声で耳元で囁かれたら、身体の奥が疼いた。
「ーッ!!政宗!」
と俺は政宗に覆いかぶさるように深くキスをした。
*********
温室で育てられた薔薇は外を知らない。
だからか、外から舞ってきた綿毛に興味を持った。
遠い野原から舞ってきたタンポポの綿毛は温室に根を下ろし薔薇の養分をも奪い取るとも露知らず、
薔薇はただタンポポを愛で愛されていた。
狭い温室の中で…。
END
あとがき
やっちまった(゜Д゜;)
慶政やっちまったよ俺…
え?R?つけないよ。そんな事できないよ…
Rをつけたらその分皆さん期待しちゃうでしょ?
だからつけません(キッパリ)
さて、お題で野に咲く花のように。
とありまして黄色の花…と考えたらタンポポが真っ先に出てきてそれ以外出てこなかったんです。
タンポポって言ったら誰だろ…?
と悩んだ末の慶次。
しかし更なる問題が。
相手…誰にしよう…!!( ̄○ ̄;)
で悩んだのが政宗様と幸村。
本能で政宗様を選びました。
反省はしている!!だが後悔はしていない!!
そう開き直って私としてはやりました。
やり切りました。多分。
お題も3つ(一応)消化しました。
残りも頑張りたいと思います!!
お粗末様でした!!
2011/08/22