その他

□P4×UT in P4 Yasoinaba
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『現実はね、ゲームのようには行かないのさ……僕が言ったら……いけないかも知れないけど……ね……』

『現実にはリセットボタンもロードするセーブデータも無いんだ……なのに、僕は…………』


つい先程まで動いていた彼を見下ろす俺。
そんな俺を静かに見下ろす赤と黒の空。
ここはテレビの中。
彼は……連続殺人事件の真犯人は、人知れず死んでしまった。
本来であれば"正義を信じる子供たち"によって追い詰められ、"正しい裁き"を受けるはずだった。
……こうなったのは、"正義を信じていた子供"のせいだけれど。
ポッカリと空いた胸の穴。
それを埋めるためだけに色んなことをしてきた。
今のように誰かを殺したりもした。誰かを助けたりもした。
誰かを傷つけたりもした。誰かを愛したりもした。
全てのパターンを繰り返したが、どうにも心の穴は埋まらない。

「で、お前さんはこれからどうするんだ?ガキンチョ」

背後から不意に声が聞こえ、反射的に刃を向ける。
俺の背後にはこのテレビの中で何度か見かけた背の低いスケルトンが、いつもと変わらないにやけ面で立っていた。
青いパーカー、黒のズボン、外だというのに靴ではなくスリッパを履いている。スケルトンである時点でおかしな奴だが、なかなかイカれた服装をしている。ソイツは自分自身の事を"監視者"だと言っていた。
"時の流れを見張り、正す者"だと。

「俺は"ガキ"ではない」

「ッへ、俺からしたら人間は大体"ガキンチョ"さ。モンスターの寿命の話は前にしただろう?」

「…………。」

答えない俺の反応を否定と取ったスケルトンは、おっと、今回のお前さんにはまだ話してなかったか。と、わざとおどけた様に肩をすくめた。

「まぁ、今話したところで時間稼ぎにもなれないだろうな。
……一度は好きになって、全ての絆を捨ててまで救おうとした相手を、こうも簡単に切り捨てられるもんなのか……理解出来ねぇな。しようとも思わないけどな。」

「それが人間だ。彼…いや、彼女だったか?あの子供もそうだったのだろう?」

いつだったか耳にした他所の世界の親善大使様のことを引きあいに出せば、スケルトンはわかりやすく顔色を変えた。その目には怒りに近い色が見えた気がした。

「……リセットした所で何も変わりはしない。世界はある程度の枠から超えることは出来ないようになっている。自然の摂理は覆せない。……たとえ、神であったとしても……な。」

「モンスターが神を信じるか……それは新しいジョークなのか?Sans」

「……悪いけど、俺もそこまで寛大な心を持っちゃあいないからな。世界の時間軸に干渉し続ける"バグ"は"監視者"としては排除しなきゃならないんだ。お前さんみたいな"バグ"は正直嫌いでね。最悪な時間すらも与えるのが惜しいくらいだ」

奴の左目が青く燃える。あれは魔力を使う時に見られる事を俺すでに知っていた。
戦闘態勢。
そっちがその気ならばと、刀を上段に構え片足を引く。

「俺もこう何度もループの邪魔をされたら、お前の存在そのものを消しかねない」



「「だったら、さっさと諦めろ」」









観測者が破滅の運命にあった世界を救ったことにより監視者となった後、稲羽に来ていたらって話
悠くん歪みすぎてて怖い…。

お粗末さまでした




2017/01/16




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