海賊
□相合い傘の魔法
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相合い傘の魔法
生徒A「Σうっそ、外雨降ってんじゃん!」
生徒B「Σえ、どーしよっ!?ウチフツーに傘とか持って来てないんだけどー!?」
退屈な授業も終わって帰り支度をしているとそんな下らない会話が耳に入ってくる。
(馬鹿な奴等…)
折り畳み傘を持って歩けば、この土砂降りの中を、濡れて帰る事もないのにな。
気付かれないように軽蔑の眼差しを向け、私は教室を後にした。
…―――
「む?」
あそこに立っているのは…
「キラー先輩」
キ「あ…あぁ、白夜か」
「珍しいですね。先輩が傘を忘れるなんて」
キ「いや…忘れたワケではないんだがι」
…あぁ、何となく分かったかも。
「あのヘタレチューリップのせいですね?大方、先輩の傘を奪って一人で帰ったんでしょう?」
キ「……よく分かったな」
「そりゃあ分かりますよ。ヤツはリアルジャイアンですからね」
“他人の物は俺の物”
“俺の物は俺の物”
そんな考え方の持ち主だからな、ヘタレのくせに←
キ「フッ…違いない」
ほら長年あのヘタレと一緒にいるキラー先輩もそう思ってた。