復活
□幸せをオペラにはさんで
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「骸、誕生日おめでとう」
祝福の言葉と共に白夜がケーキの箱らしき物を差し出す。
「覚えててくれたんですね」
今日は6月9日。
彼女の言うように今日は僕の誕生日だ。
「…当然だろう。骸も大切な仲間なんだからな」
何処か呆れたような表情で彼女はそう返す。
ですが白夜?
その当然の事がどんなに喜ばしい事かは貴女が一番よく知っているのでは?
「クフフ…ところでコレには何が入ってるんです?」
誤魔化すように笑って箱に話題を向ける。
ありがとう、なんて言葉…僕には似合いません。
それに白夜なら言葉にしなくてもちゃんと分かってくれるはずですし。
「ケーキ。今回はオペラを作ってみたんだ」
ほらね。
話を逸らされた事に気付いてないはずないのに。
白夜のそういう所…結構好きなんですよね、僕。
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