婆裟羅
□その感情に蓋をする
1ページ/4ページ
佐「はい、コーヒー。紅茶の方が良かった?」
「……(フルフル」
無言でコーヒーを受け取る朔夜と背中合わせで座る。
何となく、今の彼女を見ちゃいけない。
そんな気がしたから。
「……」
佐「……」
朔夜がこんな風に俺様の所に来たのは今回が初めてで、正直対応に困った。
というか今も困ってる。
朔夜は元々口数が少ない方だから毎回それを俺様が汲み取るような状態。
でもいつもと違う朔夜相手じゃ、流石の俺様でも分かる事なんて何一つなかった。
「……」
佐「……」
痛いほどの沈黙が続く。
そんな重苦しい沈黙を破ったのは意外にもあの朔夜の方だった。
*