拝啓、私の主様
□第二章 殺戮武人
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客「82万!」
客「84万ベリーだ!」
「ふあぁ…(欠伸」
競りの値段がどんどん上がる。
だが客や司会者の言う"ベリー"の単位がいまいち分からない。
まあ…大体"円"と一緒だと考えておこう。
司「84万ベリー!それ以上はいませんか!?」
(84万か…。ふむ、)
コチラの世界ではただの人間だと思われているし、妥当な金額か。
?「800万」
その一言で辺りは水を打ったかのように静まり返った。
「…ワォ」
小さいはずの私の呟きすら大きく聞こえる。
800万って……いくら何でも巨額過ぎやしないか。
思わず出た恭弥の口癖に少しだけ罪悪感を感じながら私はその男を見つめていた―――。
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