婆裟羅
□日が暮れるまで…
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政宗との契約―――それは三年間だけ【政宗の女】を演じるという事だった。
コイツには愛(メゴ)という許婚がいる。
しかし彼女は現在、諸事情によりフランスの方に留学しているらしい。
それを、絶好のチャンスと言わんばかりに政宗に言い寄る女達。
その相手が面倒だった奴は、私を“恋人”にする事でそれを穏便に治めたのだ。
ちなみにその役に私が抜擢された理由は“自分に好意の目を、一切向けなかったから”…らしい。
「…あの時は驚いたな。いきなり私の所に来て『俺の女になれ』だなんて言うんだから」
政「俺もビックリしたぜ。まさか『構わない』なんて返事が即答で返ってくるとは思わなかったからな。人選missかと、一瞬ヒヤリとしたぜι」
「ふんっ、私が貴様のような男に惚れるワケないだろう」
そう…惚れるハズがない。
だってコイツは…“絶対に惚れてはいけない”相手なのだから。