魔法少女リリカルなのは ASTRAY
□第4話
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翌日…事件は起こった。
昼食後に行っているギルダとナルガによる隊長陣への教導の最中…
ギルダ「…一時中断だ」
はやて「…?」
フェイト「ど、どうしたの?」
なのは・ヴィータ「………」
まだ始まって10分と経っていない。にも関わらずいきなりギルダは教導を一時中断。
ギルダ「お前らどうした?はやてとフェイト以外全く覇気が無いし、動きにキレがないぞ?」
ナルガ「特になのはとヴィータ…お前らからはやる気が全く伝わってこない」
今回の教導、昨日のメンバーにフェイトを加えたのは良いが、ギルダとナルガの言うようにはやてとフェイト以外のメンバーの動きにキレがなく、ミスが多い。
なのはとヴィータに至ってはそれが著しい。
ギルダ「体調でも悪いのか?昨日ははやてだって倒れたくらいだ。もしそうなら休んでても…」
ヴィータ「…が……かよ…」
ナルガ「…ん?」
ヴィータ「あたしらが勝てるのかよ…」
ボソリとヴィータが独り言のように呟く。
ギルダ「ヴィータ、どうかしたのか?」
ヴィータ「あんな…マグナムカートリッジみたいなもんを簡単に作っちまうんだろ?レギュレイターってのは…戦闘力とかもお前ら並みかそれ以上なんだろ!?」
ギルダ「…そうだな。全員が全員そうではないが」
ナルガ「少なくとも俺達の敵、ファントムの連中はそうだと考えた方がいい」
ヴィータ「そんなやつら相手にあたしらが勝てると本気で思ってるのかよ!?こんな教導だって…所詮気休めじゃんk…っ!!」
中腰でヴィータと目線を合わせていたギルダの胸ぐらを掴むヴィータ。しかし、突然ヴィータの体が宙を舞い、吹き飛ぶ。
吹き飛んだ方向にははやてがいて、ヴィータを受け止める。
ナルガを含め、この場にいた全員は今の光景に唖然としていた。
胸ぐらを掴まれたギルダがヴィータを力ずくで引き離し、その頬を殴り飛ばしたのだ。
ギルダ「お前らがファントムの連中に勝てるか…知りたいか?」
既にギルダの表情にはいつもの優しさは無く、むしろ怒りを剥き出しにした威圧の籠った目でヴィータを…いや、その場にいた全員を睨む。
なのは「……ぇ?」
シグナム「………」
ヴィータ「…っ……言ってみろよ」
はやて「ヴィータ!そんな言葉遣いあk…」
本来ならヴィータの言葉遣いを叱りたいはやてだが、ギルダの殺気に言葉を呑む。
ギルダ「はっきり言って今のお前らじゃ話にならない。FWの連中もだ」
ヴィータ「………」
ギルダ「なのは…お前もヴィータと同じ思いなのか?シグナムも…」
なのは「……っ…」
シグナム「………」
ギルダの問いになのはは言葉に詰まり、シグナムは無言で目をそらす。
ギルダ「はやて!フェイトは!?」
はやて「ぇっと…私は思てへん…よ?」
フェイト「わ、私も…」
遂にギルダの怒りの矛先がはやてとフェイトにも向く。
2人はなのは達のようなことは考えてはいなかったが、その殺気に怯む。
ギルダ「そうか…なら、今日の教導はこれで終わりだ。それと、明日以降ははやてとフェイト、ナルガ以外は来るな。やる気のないやつはいても目障りになるだけだ」
なのは「Σ…」
ヴィータ「……」
シグナム「なっ…」
ギルダは訓練場から立ち去る。
ギルダ「受けても意味ない…ただの気休めだ…そう思ってるクズに教えることは何もねぇよ。管理局のエース・オブ・エースとヴォルケンリッターがこうも根性無しだったとはな。見損なったぜ」
と言い残して。