物置
□無題 3
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「なーんでオレ、アンタと付き合ってんのかなあ?」
また始まった…と三井はそっと胸の中で呟いた。
ひどく不思議そうに問いかけながら宮城はさらさらと三井の背中を撫でている。
汗ばんでしっとりとした肌触りがイイよね、と宮城の最近のブームらしい。
荒くなった呼吸を調えようと宮城の問いかけを知らんふりでいると、宮城が背骨のひとつひとつを確かめるように唇を寄せてきた。
「ねーどう思う?」
知るかそんなもん。と、三井は思う。初めて宮城の口からそんな台詞を吐かれた時はショックでうろたえたが、こうも繰り返し問われるとうんざりする気持ちになる。
だったらこんなの止めればいいんだ
そう答えた三井に
『え?何で?』
と来た。宮城の考えてることは本当に分からない。
「アンタもオレも別に男が好きってんじゃねーしさ?」
ああそーかよ。お前は相変わらず彩子にご執心だもんな。と、思った。三井と肌を重ねながら視線は彩子を追う…そんな宮城の日常にも、もはや慣れた自分が居て三井は苦い気持ちを噛みしめた。
どう考えても自分の方が宮城を切り捨てられない。
いつか問いかけが違う言葉に変わるだろう。
その瞬間、自分の心臓が止まればいい…
そんなことを思いながら、三井はそっと目を閉じた。
終わり
体先行系?ほんのり暗い。
宮城←←←三井が好き。