記念碑
□あなたの気持ちがサプライズ
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カンパの話は黙っていよう。でもって、安田の話は…適当に誤魔化せばいい。絶対バレない。
自分がどれだけ感情が顔に出やすいタイプなのか全く自覚のない三井は、自分の思いつきに絶大な自信を持って宮城の家へ急ぐ。
今から出かけると告げると思い切り母親に嫌がられたけど。
宮城がなんか困ってるってメール寄越したんだ、と言ったら、しぶしぶ外出を許してくれた。
なんでだか分からないけど、どーやら宮城にはものすごい信頼を寄せているらしい。全く失礼な話だ。
あんなうさんくさいヤツ、いないのに。
だいたい俺はもうケンカなんかしないし。
安西先生と約束したし。
もっと息子を信用しろよな。
しつこいくらいドアを叩いて、壊れるくらいチャイムを鳴らして、何度も何度も宮城の名前を呼んで…
「何なんスか?こんな時間に」
ようやっと開いたドアにもたれながら宮城が問う。
不機嫌さを露骨に隠そうともしない宮城を見た瞬間、三井の両目から涙があふれた。
「み、三井サン?!」
いきなり玄関先でワンワン泣き出した三井を招き入れ、ミルクとガムシロップをたっぷり入れたアイスコーヒーを差し出した。
「…ちょっとは落ち着いた?」
ヒックヒックしゃくりあげてる三井に声をかける。
フルリと三井の肩が揺れる。
俯いて顔が見えない。
でも可愛らしい耳が真っ赤だったから。
後ろから抱きしめながら、はむっと三井の耳たぶをくわえた。
「泣かないでよ」
甘えるように囁いた途端、いきなり三井が立ち上がり宮城の腕を掴むとグイグイ引っ張りながら、宮城をベッドに押さえつけた。
「はっ!?えっ?」
両手で宮城の頬を挟んで、いきなり唇を押しつけてきた。
力任せに唇を押しつけてくるだけのぎこちないキス。
ヤ、ちょっと。てか、カナリ嬉しいんだけど…何なんだ?
「ちょっ…どーしたの?」
漸く唇が離れたかと思ったら、肩口に顔をうずめて骨が鳴りそうなほどにしがみついてくる。
「三井サン?ね、なンか…」
呼吸が苦しくて、ちょっと腕の力を緩めてもらいたいんだけど…
そう色気のないことを言おうと思って、思い出した。
さっきの、か。
ショックだったンかな…?
俺のが、キツかったんだけど…
結局、惚れた弱みで三井にとことん甘い宮城はスッと体の力を抜いた。
「ゴメンね?」
「ヤダっ」
くぐもった答え。
天の邪鬼な返事をありがとう。
「もう怒ってないから…」
「ヤダッ」
「いじわるしちゃってゴメンね」
「…ッ」
「もう聞かないから…許して?」
「チガう」
半身を起こすと、宮城の胸にむしゃぶりついてきた。
あーゴメンなさい。抱きつかれてつい勃っちゃいました…
あまりにも正直な自分の体に笑ってしまう。
大好きな三井サンが、自分からチューしてくれて抱きついてくれちゃうんだもん、しょーがねーよなって。
…うわ、なンで乳首舐めてンだよ。くすぐってェー。
あれ?ヤる方になりたいのかな?
…イヤまぁ三井サンならケツくらい貸してもイイけど…
出来れば逆でお願いしたいよな〜
三井の頭と体がどんどん下に向かっていく。
しょうがないから、邪魔なタンクトップを自分で脱いだ。
「三井サンも、脱いでよ」
熱に浮かされたようにぼんやりした顔で宮城を見ると、頷きながら宮城の体の上でTシャツを脱ぎだした。
うーわっ、エロいって!
何とかベルトは外せたみたいだけど、ウエストのボタンに手こずってる。
「脱がせて」
そう言って…体を反転させた。
えーっこの体勢って!
ヤッベ、マジでどうしちゃったワケ?