みんな

□Love love KISS with…
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放課後

亮と昔ながらの駄菓子屋さんでキャイキャイ騒いでいた

「お、これ懐かしくねえ?」

「どれ??」

亮は目をキラキラさせてチョコバットを物色している

「え〜、アタシあんまり食べなかった」

「まじで?ホームランが出るともう一本なんだぞ」

「ふ〜〜ん」

亮は、どうやら買うらしい

電気に透かしてみたり、目を細めてみたり、ズルしようとしているけど……

「ちくしょー、見えねえ」

とやけくそで一番上の一本を取った

駄菓子屋さんのおばあちゃんも微笑ましそうにこっちを見ている

亮は「ほい」っと口調とは裏腹に優しくおばあちゃんにお金を支払うと、その場で開封した

「うっわ〜なっつかし〜〜、こんなんだったわ〜〜」

とチョコバットをガジガジかじり出した

アタシは懐かしいフィリックスガムや「さくらんぼの歌」って飴、どんどん焼き、とかごに入れていく
寮に戻ったらみんなでワイワイ言いながら食べるんだ〜
なんてニヤニヤしていると、背後で大声が聞こえた

「ヤッタ!ホーーームラン!!」

振り返ると、亮がニッコニコ笑顔でアタシにホームランと書かれている所を見せていた

「良かったねえ〜」

……ふふ、子供みたい

亮はおばあちゃんが奥の陳列棚を整理しているのをチラッと見た後

「おい、ほっぺにチューしろ」とアタシの前に頬を突き出してきた

「ええ?!今?」

「今に決まってんだろ」

アタシもおばあちゃんをチラッと確認する

「……じゃあ、横向いて」

「………」

チューーー…… っっ!!!!

唇がほっぺに触れる前に亮が顔をこちらに向けた

尖らせた唇同士がブチュっとぶつかる


「あ!もう!!いきなりこっち振り向かないでよ!」


「…ホーーームラン♪」


lovelove KISS with RYO

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