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□檸檬の。
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夕貴は自分の髪の毛をいじりながら
「ああ」
とエレベーターに乗り込む
それに俺もついていく
ふと疑問に思う
いつもなら俺は早い方だ
会うことなんて絶対なかったのに
・・・・今日はたまたま早起きでもしたんだろうな
つーか会いたくないから
早く家出てるのに。
それくらい察してくれよ
「そっか、あ。もうすぐテストだよね、勉強してる?」
気まずい。
コイツに勉強の話はタブーなんだろう
だってコイツ
橘 夕貴は学校で名も知れる[悪ガキ]という奴だ
よく先生に向かって
汚い言葉を発しているのを見かける
授業はサボってるみたいだし、制服もだらしない
まぁ女子には人気が高いのが疑問
「・・・・・・してねぇ、つかしねぇし。」
低い声でそう言うから
俺は体が固まる
普通に、こ。怖いぞ。
「・・・・・したほうがいいよ、頑張って」
こっちが頑張って声を振り絞る
そこでエレベーターが開く
よかった。殺されそうでした。
重苦しい空気から解放され
俺は
「じゃ、ね」
と引きつり笑いをし
小走りでエレベーターから遠のいた