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□檸檬の。
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最後までまともに見れなかった夕貴の顔

いつの間に声が低くなって

いつの間にあんなに大人っぽくなったのだろう

さっきみたいに
顔を合わすのが久しぶりすぎで

驚くことがいっぱいだった。


「・・・小さいときは一緒に学校行ってたのにな」

と少し笑みが零れる


夕貴は忘れてるかな、やっぱり。

・・・・――――‐‐



『ねぇ、ゆうちゃん遊ぼー』

お母さんから友達の家に行くときは
持って行きなさいといつも言われて
果物とかお菓子を片手にし
いつも俺は
隣のゆうちゃん・・・・、夕貴の家に遊びに行ってた


『あ、まーくん!おかあさん!まーくんきたあ!あそぶからじゃましないでよ?』


と玄関でバタバタはしゃぐ夕貴


・・・・・今ではあり得ない光景だ。


『あらあ、まーくんいらっしゃい。・・・・ゆう?部屋片づけたの?』

奥からゆうちゃんのお母さんの声。


『したもん!!・・・・ちょっと。』

と夕貴はすこし小さい声になる


『おれのへやいこ!カードもってきた?』

にぱっと笑う夕貴は
とても元気そうな証拠

『うん、もってきたよ、ゆうちゃんのカードみしてー』

夕貴のカードは強いキャラクターばかりで
バトルではいつも俺が負けてしまう

でも時々、夕貴にだだをこねると
夕貴はわざと負けてくれたりしていた

それが嬉しくて
俺はいつもだだをこねていた気がする
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