僕らの幕末戦争
□僕らの幕末戦争 第4章
2ページ/4ページ
裕助side
唯人が高熱で倒れた
俺は羅刹の薬を全てスポーツバックに詰め込んで、本も詰め込んで、唯人を担いで山小屋を降りた
唯人が高熱を出して倒れたのはこれで二回目だ。
一回目は…「……ゅ…ぅ…」
唯人が苦しそうな声で、俺の名前を呼んだ。
「唯人!!しっかりしろよ!!今、医者ん所に連れて行くからな!!」
俺はひたすら走った。息が切れても、転びそうになっても走った。
それだけ…唯人が大切だから。
暫く走り続けると町の様子が変わってきた。
どうやらかなり走ったみたいだ
俺は一旦止まって唯人の様子を見た。
「唯人…」
「何?」
「ゆ…唯人!?」
「何?裕助。…君が止まるまで、ずっと待ってたんだけど?」
「わ、わりぃ!!って違うだろ!!いつ起きたんだよ!!」
「裕助が走り出してから30分後ぐらいかな。なんだか、気分が楽になった。……ごめんね。裕助」
「そっか!!良かった!!…てか目、覚ましたんなら言えよ!!」
「ごめんね。それより…ここはどこ?」
「俺もわかんねぇんだよな…」
「そっか…。」
俺は、辺りをキョロキョロ見回すと、なにか視界の横に白い物が横切った。それは唯人にも見えていた
「裕助…あれは……羅刹?」
「そうみたいだな…。唯人…少し揺れるけど走るぞ」
「うん。」
白い物を追いかけるために俺は走った。
*