戦慄の絆
□戦慄の絆 027
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第三者side
雷門戦を明日に控えた夜
月明かりだけが頼りのこの暗い森の中で少年は海が一望できる小高い木の枝に座っていた
月明かりに照らされた顔は褐色の肌を白く照らしていた
ーザァ〜 ザァ〜ー
波の音が静かに響く
少年はただじっと遠い地平線を見ていた
「………」
何も喋るわけもなくただじっとしている
他人から見れば何を考えているかわからない。
「―――…―――…」
少年は不意に言葉を零した
今、少年が零した言葉は自分の兄弟たちだ
さっきも言ったが実際に少年は誰から見ても何を考えているかわからない
少年は気づいているのか…はたまた気付いてないのか…
それは少年自身にしかわからない。
*