戦慄の絆
□戦慄の絆 032
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ボールは雷門から
剣城が天馬にパスをする
だが、白竜はそのまま物凄いスピードでボールを奪い、二人の間を突破した。白竜は雷門ディフェンス陣を軽々吹き飛ばし、天城までも吹き飛ばす。
白竜はボールを蹴り上げ、自らも跳躍した。
三国が白竜とボールの軌跡から目を離さず、腰を落として身構える。雷門イレブンが期待を込めて三国を注視する中、白竜は圧倒的な滞空時間からのボレーシュート出来を打ち込んだ。
空気を裂く回転を与えられた超高速弾が雷門ゴールにおそいかかった。大きく旋回したそれは、ゴールの右隅を正確に狙っていた。三国はボールを追って跳んだものの指先が触れることすらできず、あえなくゴールを許してしまった。
「決まったァーッ!開始5分、先制点はゼロ!」
居郷の絶叫を、VIP席のイシドが雷門イレブンを見つめ、じっと聞いている。
雷門ベンチでは円堂たちが総立ちで見ていた。スコアが会場全体に満ちるフィフスコールが、雷門イレブンの心を締め付けている。
「予想以上に手強いな。」
鬼動が呟けば、青山もハラハラとして、今にも飛び出していきそうな気持ちを抑えていた。
「あんなに特訓したのに!」
「この力の差…どう攻略すればいいんですか、監督!」
一乃が円堂に訴えた。
シュウヤside
今、試合がすごく楽しい
何でだろうね…。あんなに苦しかったのに…
ずっと…死ぬかと思うぐらい練習したし…
今日は雷門だから苦しくて辛い試合になると想ってた
ふふっ…みんなありがとう。
もう…迷わない。
兄さんと話をしよう。
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