Dearest ー記憶の欠片ー
□第6夜 ー歓迎会ー
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総太side
式が進行する中、ムカつきと怒りが混沌とし冷や汗が背中を伝った
今さら家族の事なんかどうでもいい。俺は捨て子だし
何だか、気持ちが乗らず説明は終わってなかったが、体育館から出て行った
歩くたびに顔の表情が歪んでいく
ふと気がつくと、桜が誇らしげに咲き誇っているあの、昼寝ポイントの近くにいた
「桜か…。」
桜は俺の前の家の庭に咲いていた。よく、あそこにほん投げられたな…練習サボった日にはな…
ふと、物凄い風が吹き桜の花びらとともにフードがとれた
結っていたゴムが取れハラハラと髪が舞った
「風、強い」
桜の花びらが全て散ってしまうのか心配になる
スッと俺の後ろから人影がでてきた
「総太…」
青い髪にオレンジ色の瞳が俺を見ていた
「なに、井吹くん」
「会わせたい奴がいるんだ」
「俺に?……………沖田総司でしょ」
井吹の後ろから鷲色の髪の毛が現れた
「よくわかったね。総太」
*