戦慄の絆

□戦慄の絆 033
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「お前は馬鹿か!?」




「へ?」




「なぜ、もっと早く言わなかった!こんな……こんな…」




「…ごめん」




−カバッ−




「白竜っ!」




「俺は、お前が好きだ!初めて人を好きになった」




「…僕もだよ…」




「え?」




「本当は、僕も好きだった。だけど、時間がない僕を好きになってほしくなかった…」




「…やっぱり、お前はバカだ」




「もぅ!バカバカ言わないでよ!」




笑いあうのもこれが最後だね




そう、思うと、いっそう光が強くなった




「…本当にお別れだ」




「シュウヤ、待ってよ!一人にしないでよ」




「大丈夫だよ…兄さんなら大丈夫…仲間がいるから。それでも寂しいなら…神の力を使って…二人に僕の化身を分け与えるよ。光は闇と、闇は光と。二人とも手を貸して」




僕は二人の手を握って、白竜には闇の力を…兄さんには光の力を…




「これを僕だと思って……」




僕の身体は足からどんどん消えていく




「白竜……僕のこと忘れないでね?でも、白竜が恋した時は僕のことを気にしないで…恋をしてね。僕の事が重荷にならないようにしてよね。………さ、白竜にいいものあげる。目をつぶって、右手を出して」




「こうか?」




「そうそう」




僕は手につけてあった黒と紫のミサンガを白竜の手につけた




「今まで本当にありがとう。忘れないよ…ずっと」


















白竜が目を開けたときには、シュウヤの姿はなかった。










ただ、唇に温かい感触が残っていた












End

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