Dearest ー記憶の欠片ー
□第2夜 ー出会いー
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4月
桜が舞う季節に、俺は薄桜高校の門をくぐった
今日、俺は高校生になった。
入学式は怠くてサボった
今は、屋上の貯水タンクの上でブカブカのパーカーのフードを被ってお昼寝している
これから教室にいくつもりはない
今日はここでサボりたい。
−コツコツコツコツ−
「!」
どうやら屋上にお客さんが来たみたい。だけど一人。
「はぁ…。」
此処にくるのはきっと先輩だろう…。…絡まれるのはゴメンだな。
どうやら教室に行かないと行けないらしい…
俺は身体を起こして屋上の階段を降りようとした。
−ガチャ−ゴンー
「っ…!!いった…!!」
俺は不意に開いたドアに頭をぶつけた
「あっやべ!!おっおい…大丈夫か?」
見知らぬ少年は俺の肩を触った
「触るな!!!!!!」
肩の手を振り払うと俺は立ち上がり階段を一気に駆け下りた
*