戦慄の絆

□戦慄の絆 011
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シュウヤside




(兄さん、練習しようよ)



(うん…。)









(シュウお兄ちゃん…シュカ……死んじゃうの?)




(シュカは死なないよ。ね、シュウヤ)




(うん!!)






シュウヤにシュウ…やはり、これは僕の記憶らしい





この後、シュカは生け贄に…なるはずだ…




どうして、僕は大切な記憶を忘れていたんだ…










そして、とうとう兄さんはお金で試合を買ってしまった




シュカは生け贄となり、兄弟は村を追い出された





(………兄さん…。シュカが生け贄になったのは、兄さんのせいじゃない。こんな、習慣がある村が可笑しいんだよ)




(シュウヤ……本当にごめん)




(これからは、二人で生きていくしかないよ)




(そう……だね。)




(兄さん…。)






…僕は、この後の記憶を無くしている





(兄さん、今日はもう寝よう)




(うん。お休み)




昔のシュウヤside




森も獣もみんな、寝静まった頃…。




ーザッ ザッ ザッー




近くから足音が聞こえ目を覚ました




(ん……)




((起きろ))




どこかで、聞いたことがある声が聞こえ、体を起こした




(…村長!!なぜ!!)




(次の生け贄がお前ら二人のどちらかに決まった)




(!!!なぜ、村から、追い出したものを生け贄にするんですか!?)




(村から出て行ったものこそ、最後は村に尽くせばいい)




(っ!!!)




(生け贄はどちらか一人だ。)




(……約束してほしい事があるんです。…僕が生け贄になっても、生け贄に兄さんを選ばないでください!!)




(…よかろう。お前が生け贄になれば、お前の兄は生け贄にしない。)




(…わかりました。僕が生け贄になります。)




そう言うと、村長は帰って行った




村長のさりげない優しさだと思う




兄さんとの最後のお別れをさせてくれるために…





僕は兄さんの方に向かい…




(兄さん、僕を大切にしてくれてありがとう。兄さん…)




寝ている兄さんに話しかけた。




(兄さん…お願いがあるんだ……兄さんは…僕を憎んで良いから…憎み続けて……………僕を忘れないで)




涙が一筋、頬をつたった




(さようなら…兄さん。)




僕は、村に向かって歩いた



























ごめんなさい
























 

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