戦慄の絆
□戦慄の絆 029
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シュウヤside
俺だって白竜の事…でももう時間はないんだ
俺はあの後シュカが待つ地蔵の付近でうずくまった
暫くすると昔聞き慣れた声が聞こえた
(お兄ちゃん…)
「シュカ…」
(お兄ちゃん、これでいいの!?)
「いい…」
(お兄ちゃんは自分を犠牲にしすぎだよ!)
「俺は兄妹を守るためにしたんだ!シュカは俺の全部に口出してほしくない!」
(お兄ちゃんは、あの時だって今日だって…)
「うるさい!」
(お兄ちゃんは確かに、あの村で伝説の子で唯一生け贄なった!でも、お兄ちゃんはもう犠牲にならずに自分の命を大切にしてほしい。)
「もう…無理だよ、僕に命はない。何百年生きたけど…もう生きるの疲れた。僕は伝説の子として生まれたくなかった」
(お兄ちゃんは…伝説の子だけど、シュウお兄ちゃんは確かに憎んでいた。でも…)
「これ以上、何も言うな!……………あ…ごめんシュカ。」
(うんうん、いいのよ。私はもう時間だから行くね。)
「ごめん…」
(お兄ちゃん…お兄ちゃんは消える前に絵を描いたんでしょ?)
「うん」
(その絵は…怒りや悲しみ、憎しみで描いたの?)
「違う…」
(絵を描いた時の純粋な気持ちを忘れないで。決して、心も身体も憎しみや、負の感情に染めないで。…お兄ちゃん、シュウお兄ちゃんによろしく。それじゃあ…)
辺りが静かになると…
「わからない…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
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