君に会えて

□君に会えて 第22夜
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慶応三年 6月



真夜中に千鶴ちゃんのお客さんが来た



ーズキー



女がこちらを向いたとき



微かな頭の痛みが強まった



この女…何かおかしい



だけど、千鶴ちゃんのお客さんなら問題ないと思う



千鶴「お千ちゃん。
ここには何のようで来たの?」



お千「私ね、あなたを迎えに来たの」



は?



広間に戸惑いが広がる



千鶴ちゃんは一番困惑しているようだ



俺は暫く何も言わずにこの女の話を聞いていた



只、頭痛はなお続く



お千「まずは千鶴ちゃんからね」



お千「あなたたち、風間をしっていますよね?何度か刃を交えていると聞きました」



歳三「なんでそのことをしっている」



お千「ええと…この京で起きていることは、だいたい耳に入ってくるのです」



歳三「なるほど。お前も奴らと似たような、胡散臭い一味だって事か。」



お千「あんなのと一緒にされると困るんだけど…でも、遠からず……かしら」



歳三「まぁいい……風間の話だったな」



原田「あいつは、池田屋、禁門の変、二条城と何度も俺たちの前に現れている薩長の仲間だろ」



総司「仲間って言うより、彼らは彼らで何か目的があるみたいだったけどね」



歳三「どっちにしても、奴らは新選組の敵だ」



お千「では、彼らの狙いが彼女だということも?」



近藤「承知している
彼らは自ら【鬼】と名乗っている…信じているわけではないが……」



山南「ですが、信じるしか無いでしょうね。
三人が三人とも、人間離れした使い手ですから」



総司「……あはは、面白いな。
山南さんが、そういうこと言うんだ。」



お千「彼らが鬼という認識はあるんですね。
ならば、話は早いです」



お千「実を申せば、この私も実は人ではありません
私も鬼なのです」



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