君に会えて

□君に会えて 第25夜
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ある日、俺はまた風邪を引いてしまった



多分、情緒不安定になったり負の感情が制御できなかったからだ



でもみんなに迷惑かけたくなくて黙っといた。



俺は、自分の体調を表に出さずに自分で何とかした



そして、油小路の変からまだ一か月も経っていない。



みんな帰ってきてくれたけど



新選組は元に戻らなかった



今回の件で屯所で起こったことも



死人は多く、怪我人はもっと多い。



総悟もその一人だ



あの時、多くの隊士からみて助からないとわかっていたので総悟は羅刹隊の一員になった



山崎も山崎で無事だったけれど



何も知らない隊士からは陰口をたたかれている



山崎はほとぼりが冷めるまで別の場所で任務に着いた。



俺は、あの日以来沖田を避けている



どうにも沖田と会いたくない



そんなある日…



俺は沖田が一人夜空を見上げているのを見た



何を考えて、何を見つめているのだろう



俺はその背中に声をかけることをためらった



総司「そんなとこにいないでこっちにくれば?」



総太「………」



俺は無言で沖田の傍に座った



総司「………」



総太「身体の方は大丈夫なのか?」



総司「それは、胸の病のこと?
それとも、羅刹になった身体の具合?」



少し返答に困った



総司「ああ、ごめん。
困らせるつもりは無かったんだ。」



総司「そうだな…
昼間に起きるのは少し辛いけど
体調自体は日毎に回復して入るみたいだよ」



総司「養生してれば、またこれまで通り
剣も振るえるようになるって」



沖田の言葉や体調が良いことは嬉しかった…



だけど素直に喜べない。



自分が沖田をこの身体にしたんだ



総太「沖田…。」



総司「何?」



総太「俺を恨まないのか…?」
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