君に会えて

□君に会えて 第25夜
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総司side


「沖田は俺を恨まないのか…?」



そう言われたときふと思った



僕は君を恨んでないと



総司「恨んでないよ」



総太「嘘だ!!
沖田をこんな身体にしたのは俺だぞ!!」



総司「恨む理由はないから」



総太「だからって!?」



総司「泣いてる顔で言われてもね?」



総太「泣いてなんか…」



総司「僕は、自分の意志でなったんだ。
だから君を恨む必要なんてないよ」



総太「……」



総司「…君はもう、僕には関わらない方がいいよ」




総太side


えっ…



嫌だ!!
素直にそう思った



総太「嫌だ」



総司「僕の聞き間違いかな?」



総太「嫌だっていった」



総司「病人の頼みを真っ向から拒否するなんてひどいなあ」



総太「都合のいい時だけ
病人ぶって、ずるい!!」



総司「そうだね。
でも、病人っていうのは本当だよ
いや、そうじゃない
僕は死人なんだ
僕はもう生きてないんだよ?」



総太「そんなことない!!
沖田はこうして、ちゃんと動いて、話してるじゃん」



総司「そうだね。
でも…こんなの人間じゃない」



総太「そんなこと…」



総司「君の目にどう映っているか
わからないけど…そのことは
薬を飲んだ僕が一番よくわかっている」



総司「…咳もしなくなったんだ
傷や病が治るって言うのは本当らしいね。
その代償かな。昼間に動こうとすると、
すごく辛いんだ」



総司「昼間に動けないんじゃ
もしもの時に守ってあげられない」



総司「だから…
僕はもう、君の役には立たないよね?」



総司「もう死んだ奴の側にいたって」



総太「俺は、沖田が役に立つから
そばにいたいわけじゃない!!」



総太「沖田の身体は少し変わったかもしれない、だけど中身は変わってないよ。
俺の目の前にいる沖田はいつもと同じ沖田だ」



総太「生きてたって、たとえ死んでいたって
沖田は沖田だ」



総司「そう…か。…僕は僕……なのか」



総太「俺だって人間じゃない」



総司「そうか…そういえばそうだね。」



総司「君が人間だとか鬼だとか
考えたこと無かった」



総太「だから、俺だって同じなんだよ」



総太「死人だとか生きてるだとか関係ない

沖田は沖田なんだから」



総司「そこまでいうなら好きにすれば?」



総太「あぁ好きにする」
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