君に会えて
□君に会えて 第31夜
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【時の鬼…それは5000年に一度、生まれる少年
数年前、時の力を持つ鬼が生まれた。
その鬼は総太と名付けられた。
総太は煌鬼一族が身につける〈病を治す力〉〈怪我を治す力〉を生まれながら持っており5000年に一度、持てる時の力を持った鬼の子だった
時の力は勾玉を使って発揮できるものだが、
勾玉が真の力を貸し与えた者は一人もいない
故に勾玉は一度だけ相応しい相手を見つけそれ、以降時の力は消えることなく
その子孫に受け継がる。この子はその素質がある
煌鬼の鬼は鬼化すると
深紅の瞳に
銀色の髪色、
藍色の角
に変わるがこの子は
金髪
碧眼
深紅の角
時の力を使える者の容姿をしていた。我らはこの子に時の力が移り未来永劫、使えることを祈る】
「「「……。」」」
「俺に…そんなの力が…あ、まだ続きある」
【時の力を使いたくば両色の勾玉に血を垂らし呪を唱えよ。勾玉が相応しいと判断すれば生きられる。だが認めなければ…
死あるのみ】
俺は以前総司から受け取った勾玉と自分の勾玉を取り出した
君菊「おやりになるのですか!?危険です!」
千姫「やめなさい、君菊。」
君菊「姫様。」
千姫「彼の覚悟を無駄にはできません」
総司は黙ってみていた
俺は刀を抜くと手のひらに滑らせた
畳に鮮血がたれる…
俺は勾玉に垂らした。
ーシューー
辺りに煙が充満した
《時の力を使いたいという奴は誰だ》
頭に直接響いてきた
「沖田総太」
《私利私欲のために使うか?》
「いいえ。……愛する者たちのために使います」
《では、羅刹と化した者たちを助けたいと思うか?》
「前は思いませんでした。ですが、今は本当に助けたいと思っています。偽善者のように聞こえますが、俺のせいで羅刹になった人がいるんです。その人はまだ若くこれからの未来がたくさんあります。それを羅刹の力で終わらせてしまえば、きっと俺は後悔します。だから助けたいんです!!」
《………代々時の力を使われることはなかった。》
「………」
《しかし、そなたなら勾玉、を使いこなしてくれるだろう》
「!!!」
《書物の最後の空白の場所がある。そこに己の血を流せば契約完了だ。そして、白い勾玉、黒い勾玉が真の色をするであろう》
「ありがとうございます。」
俺がそう言うと
煙がはれた
「「「総太くん/さん」」」
「無事にできたよ」
後は、書物に…
俺は残った血で書物の最後の空白の場所に血を垂らした
書物が眩く光りそれが収まるとそこには金色と銀色をした勾玉が転がっていた
これが本来のこの勾玉の色
そして空白の場所に効果が書いてあった
総司「無事でよかった」
千姫「後ね、綱道さんと南雲薫の居場所がわかったの。」
南雲薫…
千姫「それはあなたの故郷、蝦夷の奥にいるの」
俺の故郷?
千「そこで、今なお羅刹の研究をしているの」
…俺の故郷で…?
総司「どうしたい?」
俺的には綱道さんに因縁はない
だけど、南雲薫が…それに総司と離れたくない
俺が答えを躊躇っていると
松本先生が衝撃の言葉を発した
松「近藤さんが新政府軍に投降した」