君に会えて
□君に会えて 第39夜
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総太side
「これから勾玉の力を使って、羅刹の力を全て無くす」
「うん。そのためには強い祈りが必要なんだよね」
「あぁ。」
そう。金と銀の勾玉を使うには強い祈りが必要になる
「僕も一緒に祈るよ」
「え…!?」
「君一人じゃ心配だし。ま、周りの羅刹がいつ襲ってくるかわからないけど…」
「……ありがとう総司。」
俺は総司の手のひらに勾玉を乗せ、俺の手を重ねた。同時作業で俺は銀色の勾玉にも祈りを捧げる。
目をつぶり静かに祈った
「「………」」
「ギャハハハハ!!血…血を寄越せぇ!!」
羅刹が襲ってくるのが気配で分かった。
だけど祈りを途中でやめるわけにはいかない
羅刹が刀を振り上げたその時…
金と銀勾玉が眩く光り出した
目を開けると金と銀の勾玉の光が空へと放たれ散り散りに飛んでいった。
そして、一つは総司の身体に入っていった。
勿論、此処にいる羅刹にも。
羅刹の人は白髪から自分の髪色に戻った。みんな不思議そうな顔をしていた。俺はワケを説明するとお礼を言ってみんなそれぞれの場所に帰っていった
羅刹の力が消えたのは総司も例外ではなく…
「羅刹が治った…。」
「金の勾玉の効力は羅刹の力を消すこと。これで羅刹はこの日本にいなくなった。」
「そっか…良かった。」
そして、銀の勾玉の光は俺と総司の中に入った。
ある言葉が脳内を流れた。
【五年後の3月29日に生きている新選組の人たちは京都の新選組屯所で落ち合いましょう。】
「これ…」
「これから新しい時代が始まる。誰に会えるかわからないけど生きている奴は必ずいると思うんだ。これは誓いの約束…」
「みんな、生きてるといいね…。」
「生きてるよ。きっとまた皆に会えるから…」
「…土方さんなんか図太く行きてそうだけどね。」
「確かに。それは五年後のお楽しみで!!」
「そうだね。……総太くん。戦いが終わったら約束したよね。」
「共に生きる…約束。」
「僕ね、此処で生きていきたい。」
「………」
「総太が育った村で生きていく。どうせ、ほかに行くとこないしね」
「ここは冬になれば寒さが厳しい」
「君といれば大丈夫だよ」
「そうだな。…帰ろう。俺たちの家に…」
*