幸せの代償
□決
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総太side
目が覚めるとまだ日も登らない朝方だった。3人はまだ寝ており俺は着替えて密かに屯所へ向かった。暫く歩いていると羅刹に出会った。真っ白な髪に紅い瞳
「ヒヒヒヒヒヒ。血ィ。血を寄こせぇぇぇぇぇ‼︎‼︎‼︎」
ーザシュッー
羅刹の首が血飛沫を飛ばしながら吹っ飛ぶ…
「やっぱり羅刹がこの国に…俺のせいで…」
悲しんでいる暇があればまた羅刹が寄ってくるとは限らないのでささっと屯所に向かった。
屯所に向かうと土方さんが待っていた。
「なんでいるの?」
煙草の煙を吐きながら土方さんは言った。
「血の匂いがして起きてみりゃあお前が来た。」
血の匂い…?なんで…?え、
「ひ、土方さん…もしかして変若水飲んだの…?」
「あぁ。飲んだ。だが、今となっては後悔してんだぜ?結局、力を手にしても何も変わりはしない。真選組が元に戻るわけでもないしな。」
「…。なんで、なんで…!なんで変若水なんか飲んだんだよ!土方さん!もう誰も羅刹になって欲しくなかったのに‼︎」
いつしか、目には涙の膜が張って零れた頬を伝う涙は止まらなかった。
「あの時はこうするしか近藤さんを助ける道はかった‼︎10年もここにいなかったお前に何がわかるんだ‼︎ふざけんな‼︎」
息を飲んだ。
「あ、えっと。そう、だよね…。ごめん。土方さん…」
何だか居た堪れない気持ちになって、10年振りに通る道を走った。
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