短編

□妬いたっていいじゃない
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俺は席を立ち上がって店の外へ出た。
夜の風が身に滲みて心地が良い。

だが熱気にあてられて火照った体は
あっという間に冷えた。

最初は冷たく心地よかった風も、今は
体の芯にまで冷たく届く。

やはり春とはいえ、夜は肌寒い。

もう戻ろうと店の中へ入った。
すると。


俺達の座席には蛇足さん一人しか
いなかった。

「あれ?くりあんは・・・」

「帰ったよ」

「帰った?」

「なんか、約束があるとか」

「へえぇ。。。」


何だろう、少し胸の奥が・・・軽く・・・?


「ぽこた」

「はい?」

「もうちょっと付き合ってくれない?」

「はい!えと、どこ行きます??」

「・・・・・・ぉれんち」

「え?」

「俺んち・・・いこ?」

「は・・・・はい!!」


やばいやばいやばいやばい。
すごく嬉しい。

ただ殿に「うちにおいで」って言われた
だけなのに。


やっぱ俺、蛇足さんが大好きなんだなぁ。
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