うたプリ

□春ちゃんがチョコを渡す話
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「ほら春歌、音也ならそこにいるわよ。というか一人なんて珍しいわね」

「そうだね友ちゃん。わ、私行ってくる!」

「頑張りな」


友ちゃんが背中を押してくれた。
頑張れ私!


「あ、あの、一十木くんっ」

「ん?七海じゃん!おはよう!」

「おはようございます…」


ううっ今日も眩しい笑顔いただきました。
毎日こんな私に素敵な笑顔をありがとう。
……この後どうしたらいいのかな?


「えっと、もしかして、俺に何か用、がある……?」


一十木くんが私に話しやすい空気を作ってくれた。


「はい、でも、一十木くん朝なのに、机の上にたくさんチョコありますし、迷惑でしょうか……?」

「そんなことないよ!俺超嬉しいよ!ありがとう!」


そう言いながら、一十木くんは私をぎゅっと抱きしめた。


「一十木くん!?」

「へ?わあっご、ごめん!」


自分の行動に気付いたのか、私を放した。


「嬉しいと思ったらなんかさ、抱きしめたくなっちゃった」


えへへっと照れながら頭をかく。


「もう、一十木くんったら」


焦ってる一十木くんがおかしくて、二人で笑いあった。
そんな微笑ましい風景とは反対に、教室中はざわついていた。
どうしてかわからないけど、友ちゃんは呆れながらこっちを見ていた。


「早速食べていい?」

「はい」

「うわあ、すごいおいしそう。いただきます」


一十木くんは包装をきれいに取って、全部おいしそうに食べてくれた。
私が作ったものが曲でもチョコでも、喜んでもらえるのは嬉しい。
この後すぐに授業になってしまって、一十木くんは月宮先生に怒られていた。










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