イナズマ

□星に願いを
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昔々あるところにそれはそれは美しい男がいました。

男の名前は半田真一。

半田はその美しさゆえ、いろいろな村の男から結婚を申し込まれていました。

松野空介、彼もまた半田に一目惚れした男の一人でした。

ある日、松野はたまたま半田を見かけてついていくと、半田は同じ天女達と入浴をしていました。


「あの美しい半田が実は天女だったなんて……」


驚きはしましたが、松野にはそんなことはどうでもよかったのです。


「もしかして、半田の羽衣をとればずっと僕の近くにいてくれるんじゃないのか…?」


幸いにもここは外にある天然の温泉です。

羽衣も温泉から少し遠いところにあります。

チャンスだと思った松野はついに半田の羽衣を盗んでしまいました。

そして、半田が羽衣をとりに戻ってくるのを草の茂みで待っていました。

入浴が終わり、天女達はぞろぞろと戻ってきました。


「……あれ?俺の羽衣がない」

「え?入る前にはちゃんとあったでしょう?」

「そうなんだけど」

「とりあえず、羽衣がないと天に帰れないんだから早く見つけてきなさいよ」

「え、ちょ」


天女達は半田を置いていってしまいました。


「俺、どうしたら…」

「あのっ」


草の茂みから出てきたのは羽衣を盗んだ張本人の松野でした。







続きます→
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