イナズマ
□クリスマスはいつまでも
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「はぁ……」
この日は毎年やってくる。
年に一度の聖なる夜が。
しかしそんな夜を一緒に過ごしてくれるような彼女はいない。
……彼氏はいるけど……
ってあいつは付き合ってるわけでもないか。
あれから10年も経つ。
なのにあいつからは音沙汰もない。
メールか電話くらいくれたっていいのに、って思った年もあった。
だけど今は寂しいとか会いたいとか思うには時間が経ち過ぎた。
「……はぁ」
いろいろと考えながら何度かわからないため息をついた。
それと同時に携帯が鳴った。
「うわっびっくりした!」
携帯のディスプレイを見るといつかのあいつの名前が出ていた。
今更何の用なのだろうか。
とりあえず、メールではなく、電話だったために携帯に出ることにした。
「……もしもし」
「半田?」
電話の向こうからは、懐かしい声が聞こえた。
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