真理を追究する者

□対魔族用の兵器!?
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「違いますよ。忘れたんですか?」


言ったのは、ゼロスだった。


「リナさんの魔力は戻ったんでしょう?そのタリスマンを使った竜破斬(ドラグ・スレイブ)なら、何とかなるんじゃありませんか?」


魔力増幅版のドラグ・スレイブ……?

それに、フィルさんとアメリアが目を輝かせて詰め寄る。


「そうじゃ!今となってはそれにかけるしかあるまい!」

「そうですよリナさん!」


こうなりゃあ……一か八か!


墜落していく空中庭園に、あたしは一歩踏み出す。


四界の闇を統べる王

汝のかけらの縁に従い

汝らすべての力持て

我にさらなる力を与えよ



タリスマンが輝き、魔力が増幅される。


黄昏よりも暗き存在(もの) 血の流れよりも赤き存在(もの)

時間(とき)の流れに埋もれし 偉大なる汝の名において

我ここに闇に誓わん

我らが前に立ち塞がりし 全ての愚かなるものに

我と汝が力もて 等しく滅びを与えんことを



魔王シャブラニグドゥの力を借りた、黒魔術最強の魔法!


「竜破斬(ドラグ・スレイブ)!!!」


タリスマンによって威力が高められた赤い光球が、一直線に空中庭園に向かって奔り!


どごおおおおおおおん!!


見事!空中庭園を粉砕!


……その下の、ちょびっとのセイルーン・シティを破壊しながら。


「ちょっとやりすぎちゃったかな〜」


あははと笑うあたしの手前で、フィルさんとアメリアがそろって卒倒した。






ま、まあ、ともあれ!

セイルーンを支配しようとしていた魔族は滅び、街に平和が戻ったってことで!


……こらそこ!余計なこと考えないっ!


それにしても――

魔族は一体何を狙ってるっての?アトラス・シティの時といい、何か大きな陰謀が動いてるみたいね。

魔竜王ガーヴの名前も出てきて……そしてそれに、どうやらあたしが絡んでる。

厄介なことになりそうね……ぐずぐずしているわけには、いかないみたい。


「……あ、今回総括は無しね」

「総括?何それ」

「教えない」



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