書
□あめあめふれふれ
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雨が降っていた
別に珍しいことでもない
今は梅雨だし
それより珍しいのは目の前の彼女
誰がどう見ても不機嫌って面相で香原咲子は空を睨んでいる
空は鋭い視線なんかものともしないで地面に水滴を落とし続ける
そんなことしてたって雨がやむワケもなくて
意味のないことは咲子の最も嫌うところで
そんなことは分かっているんだろうに咲子はただ恨めしげに空を睨みつけるのを止めない
そんな様子を隣で眺めていた佐々木流衣は小さな笑みをこぼした
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