書
□夢
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初めて彼女と会った時
同じだと気づいた
何かが
「ひじり!起きなさい!」
高めの声、
渋々顔を上げると近いところに要の顔があった
頭のすみに夢の断片
要はにっこりと笑って数学のワークを手渡す
ここは要の家
ちなみに今は2人っきりだったりする
状況を思い出したひじりはワークではなく
その手を取った
「きゃっ!」
悲鳴と共にフローリングの床に押し倒す
「要、やっとその気になってくれたんだね!」
「わけわかんないから!!」
「勉強はどうしたの?」
要にとってはタイミングよく聞こえた冷たい声
ドアの方を見ると案の定
要の妹の咲子がお盆を持って立っていた
ここは要の家
イコール咲子の家だ
ひじりは夢の中に彼女を見た気がした