INAZUMA―イナズマ―

□疾風青髪少年
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「風丸・・・」
「んっ?どうした豪炎寺」
「いっ、いや…何でもない…それより髪の毛のゴム外れてるぞ?」
「うぇ!?ちょっ、まっ、今「ゴム貸して?」
「へっ?」
「結んであげるから。」
「……じゃあ、頼みます」
―――シュッ
――シュッ
「……怖かった…」
「豪炎寺…??」
「夕香の事、皆に話してたら…もっと早く帰ってきてたら…こんなっ、こんな事にっ、風丸はっ…!!」
――ポタポタ
(背中に…涙が染みてる…)
「ごめんなさい…ごめ「良いんだ」
「!!?」
「怖かったよ…。豪炎寺が居なくなって、吹雪が入って…俺は円堂みたいに強くないし、鬼道みたいに頭が良い訳でもない…。自分から望んだ事さ…。佐久間達が言った様にエイリア石を手に入れた時、お前達の世界が見えた気がして、嬉しかった…。」
「けど、それは自分の力じゃない…」
「あははっ、痛い所を突かれたな〜。でも、もう良いんだ。自分が愚かさが分かったからさ…だから修香そんな顔すんなよ…。」
「っつ!!?」
「笑ってよ…修香…」
(この、手の温かさ…)
「お、かえり…一郎太…」
(変わってない…)
「…あぁ…ただいま…修香」
「もう…何処にも行かないで…一人にしないで…傍にいて………」
「…約束する…修香も俺の前から消えないでくれ…俺駄目になるから…」
「うん、約束する…」
「ありがとう…」
「風まっ、んっ…」
「修香…」
「っはぁ…風丸…」
「一郎太」
「いっ、一郎太…」
「修香…」
――トサッ――
「あっ、髪の毛…」
「良いよ…後でさ…」
「青髪…」
「くくっ、嫌い?」
「ううん…この手と体の温度の様に…」
「好き…」
「ありがとう、この髪も喜ぶよ…。修香だって綺麗さ…」
「私は…そんな皆に好かれる様な…色じゃ…ない…」
「そんな事ないさ…絹糸みたいな色でサラサラしてて…俺は好きだぜ(ニコッ)」
「ふふっ、ありがとう…」
「修香……」
「何……?」
「好きだ、愛してる…同じ高校に行って、20歳になったら結婚しよう…」
「…………はい……」



―そして20歳ちょうどに俺達は結婚した…。子供は考え中かもしかしたら要らないかもしれない…死ぬまで二人でいるかもしれない……。けど心の隅で俺達は頑なに願ってるかも知れない。富とか地位とか名誉なんて要らない、修香と一緒に要れるならそれで良い…―――

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