文3

□美人とは(小政)
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「政宗様…」
「別に…」
「?」
「お前が俺の事で嫉妬しても虚けなんじゃねえよ」
「…!」
「俺だって……もういい帰るぞ!」

控えめだがハッキリとそう言われ、強めに手を引かれた小十郎は先ほどの言葉を頭の中で反芻する。

嫉妬しても虚けでは無い、俺も嫉妬している。

と、言いたいのか?

何と可愛らしい発言をするのか。

「全く…貴方には敵わない」
「…こじゅ」
「はい?」

考え事の間に城下の外れまで来ていたのか、人気の無くなった道で立ち止まった政宗が見上げてくる。

「ああいうのはこういうところでやれ」

そう言った途端に唇に柔らかい感触が触れる。
しっとりとした甘い口づけが離れると、間近には頬を染めた可愛い恋人の顔が見えた。

「…ああ、やはり貴方の方が美しい」
「そういう風に言うのやめろっての!」

うっとりと囁かれた小十郎の言葉に、美しさの件では全く取り付く島の無い政宗が踵を返す。
そのままさっさと帰路を歩き始めたその背を見つめ、小十郎は幸せそうに微笑んだ。

「何度でも言いますよ」
「…!」
「貴方はこの世の誰よりも美しいです」
「…ああもう!」

政宗が戻ってくる。
小十郎は彼が傍に来て、自分がその体を抱きしめるまで何度でも口にした。

美人とは…貴方のことだ、と。






終わ・・・


おまけ


「…ねえ、あれ接吻してたよね」
「うん、してたよね絶対」
「二人とも美形で、しかもそう言う関係?」
「いいわね…それ、また来ないかなあ」

政宗がほほえましく見ていた美人とその周りの娘たちは色めき立っていた。
何せ自分たちが先程まで噂していた二人がいきなりそういう事をしたからだ。

人が多い往来、そうそう一人一人の行動など見ている者はない。

だが、その容姿ゆえ、小十郎と政宗は少々目立っていた。

「綺麗だったよね、眼帯の方」
「うん、綺麗だった」
「綺麗な眼帯さんの顔覆ってた余裕綽々の美形さんの方が上だよね?」
「そりゃそうでしょ〜、ふふっ…ちょっといいもの見ちゃった〜!」
「今日は彼らを肴におしゃべりしましょう!」

こんな会話が美人たちから飛び出していることなど政宗も小十郎も知る由は無い。




終わり




お前らは往来で何をしとんのじゃ!!!!でもいい!!!もっとやれ!!!!

無論あの後は小十郎に散々「美人美人綺麗綺麗可愛い可愛い」言われて政宗様ぞわぞわしたに違いありません(ぞわぞわってなんですか)

政宗様の態度はツンデレのようでツンデレでもないような、でもちょっとツンとしていると萌える。
小十郎がデレデレしすぎなので、政宗様がツンツンしないとならない気がしてくる(おい
逆に小十郎がツンツンしたとしても、政宗様も意地になってツンツンすれば萌える(こら
で、小十郎が折れる。そして政宗様も折れる。そして仲直りして二人ともデレになる。
何かツンデレツンデレ言いすぎ何かおかしくなってきた感じがするので終了。




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