文(現パロ)

□空2(政宗)
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※話の都合上で年齢を上げたり下げたりいじったりしてますので気にせず見てください。





懐かしいと感じたあの人に、もう一度会えますように。

会えたらどうするとかは考えてないのだけれど。

とりあえず、名前だけでも聞きたい。



あれから、無事高校の入学式も終えた。
ここには中学からの知り合いは一人もいない。

小さなころから剣道を習っていた自分は気分が乗らなかったため大会とは縁がなかったのだが剣道は好きで、当然のように中学でも剣道部に入り、元々の才能も手伝ったのか大会に出た折に全国制覇を成し遂げた。
しかし別に、それについてはどうということもなく、自分も意外とできるものなのだなと思った程度。
高校に入ったら今話せる以外の外国語を習得したり、剣道以外の部にでも入って面白おかしく過ごそうと思っていたのだが、大会に出た事が仇になったのか周りはそれを許してくれなかった。
剣道の強豪にと、進める教師にうんざりしていた時、俺の前に現れたのが私立学園の理事長のたしか織田なんとかといったか。
斜め後ろに美人な秘書兼妻と強豪と名高い剣道部の顧問だったかを連れて現れた彼は、問答無用といわんばかりに「我が校に入れ」とふんぞり返ったのだ。
最初こそ何が何だか分からない上に堅気にも見えない相手、しかも願いとは名ばかりの命令に、命令が嫌いな俺は突っぱねたのだが引き下がるわけもなく、次の日には理事長の命を受けた明智という男性が現れ気持ち悪いくらいの物腰柔らかさで校風を説明していった。

その校風というか、学園の方針というのが自由すぎて。

ここならば、剣道をやりながらでも色々できそうな気がしてきたので父に相談した。

父は離れてしまうのは忍びないと寂しそうに笑ったが、資料を眺めながらここならば大丈夫だろうといった。

俺は学校の近くに住まいを手配してくれた父への感謝の余り、ここならという言葉の意味を深くは考えなかった。



成績優秀だったことは功を奏し、推薦の入試にもあっけなくパスした。
優秀とはいえ、入学式で総代に立った顔色の悪い美形の竹中には学力で勝てる気はしないが、ノリの良すぎる面々がそろった学園を始めてみたときは楽しく過ごせそうだと胸が躍った。





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