under the rose
□寝相の悪い彼女
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まだ夜も明けぬという頃なのに、突然ごろりと自分の体の上に乗った柔らかい重みにシンが思わず目を覚ます。
「こいつは…」
寝がえりをうって、シンの体の上にのしかかってきた〇〇の寝姿に絶句してしまう。
「嫌な予感はしたんだ…」
昨夜〇〇は、先日寄港した街でファジーに薦められて買ったというネグリジェを着ていた。
苺柄のそれを「子供っぽいかな」と〇〇は気にしていたが、可愛らしくよく似合ってはいた。
しかし、レースをあしらったそのスカートの丈が短いんじゃないかとか、肩が出すぎているのではないかなどとシンには思えた。
それでも室内で着ている分には、シンしか見るものはいないのでまあよかろうと。
絶対にその格好で室外をうろつくなときつく言い含めてから、床についたのだった。
しかしシンの脳裏には、また別の危惧もよぎっていたのだが。
彼女の寝相の悪さを充分知っているシンとしては、朝どんな姿で〇〇が寝転がっているか想像に難くはなかったのだ。
しかし、まさかここまでの状況になるとは、正直シンでさえ予想だにしていなかった。
ネグリジェの裾が乱れてまくれあがり、下着が見えてしまっているのは、当初心配していた通りではあるが。
どうしたらこんな体勢になるのか、寝相が悪いにしてもまさかここまでとはと、シンは当惑せざるを得ない。
シンの上にいる〇〇の体の向きは足と頭が逆さまだ。
両の足はシンの上半身をまたぐようにしていて、見降ろせばすぐそこに〇〇の下半身。
なので、今シンの目の前にある光景は伺い知れよう。
そして〇〇の頭の位置が、この上もなくヤバい。
シンの下腹部に顔を埋めるようにして、すやすやと寝入っているのだ。
〇〇の小さな身じろぎや呼吸が、その部分に刺激を与えてきてしまう。
「…っ」
当然ながらシンの欲望は反応して、固さを増して反り勃ってくる。
ただでさえ朝の男の体は不安定だというのに、こんなことをされればたまったものではない。
「…お前が悪いんだぞ」
そんな風に一人で呟いて、シンは目の前に惜しげもなく晒されている、〇〇の足の狭間に手を伸ばした。