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Valentine's diary
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2月2日 天気 晴れのち曇り

街に寄ったら本とチョコの材料を買うとして。

やっぱり、シンさんの目の前でおおっぴらに買うのは、なんだかななので。

今度寄港したら、ファジーさんに二人だけで行動を共にしてもらえないか聞きに行った。

意外な反応のファジーさん。

「バレンタインって、なんだい?」って。

ええーーーーーーっ!?

ファジーさんにヤマトでのバレンタインを話すと、へーって面白そうだねって。

どこの国でもあることじゃないんだー。

ええっと。

じゃあ、シンさんは。

シンさんも知らないのかなって。

どうしよう。

うーん。

うーん。

うー


あ、甲板の掃除に呼ばれた。続きはまた後で書こっと。






で、ええっと、悩んでたんだよね。


むー。













ま、いっか。

私がシンさんにあげたいだけだし、あげる時にシンさんにヤマトのバレンタインのこと説明すればいいよね。

でも、一応ちょっと、知ってそうかどうかさりげなく聞いてみようかな。



数学の勉強の時に、シンさんに何気なくバレンタインって知ってますかって聞いてみた。

自然に聞こうとしたんだけど、手に汗を握っちゃって、思わず持ってたペンを落っことしてしまったけど。

でもがんばって、自然に振舞えてたはず。拾う時に椅子も倒しちゃったのは失敗だった。

シンさんの答えを待ってると、だんだん息が苦しくなってきた。目がひりひりしてきて、瞬き忘れてたみたい。

そうしたらシンさん「まあな」って。

知ってるんだーって、ほっとしたら。

「聖バレンティヌスの殉教の日だろ」って言われて、へ?って。

シンさんが教えてくれたのには、なんでも昔ある国では軍の士気が低まることを危惧して、若い兵士の結婚を禁じていたと。
ひどいね。
それを哀れに思ってこっそり結婚をさせてあげてたのが、バレンティヌスさんっていうお坊さん…司祭?だった人なんだそう。
でもそれがバレて、処刑されたのが2月14日なんだって。

「そもそも、その2月14日というのが、その国でまつわれていた女神の祝日だったんだ」ってシンさんが教えてくれた。

その女神様は、結婚を守る神様で、兵隊さんの結婚が禁止されるまでは、その女神様のお祭りで男女がお互いのパートナーを決めてたりしてたんだって。
祭りの前日、女の人が紙に名前を書いた札を桶の中に入れて、それを翌日男の人たちが1枚ひいて、書いてあった名前の女の人と祭りの間パートナーになったって。
そのパートナーになった人たちは、そのまま恋に落ち、そして結婚したって。

なんだかロマンチックだなあ。

「処刑の日を敢えて、その女神の祝日の祭りとあわせたと。まあ、一説だがな」

シンさんは、本当に何でも知ってるなあ。

一転して数学のお勉強が、歴史に変わった様な気がするけれど。

おもしろかったな。

あれ?

で、結局シンさんは、バレンタインを知ってるってことでいいんだよね?
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