♪過去の拍手小話♪

□ローとシャチのほのぼの
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「船長!見て下さいよこれ!」

シャチが新聞を握り締めて走って来た。
記事の一面を飾る“司法の島、麦わら海賊団に落とされる!!”の文字・・・崩壊したエニエス・ロビーの写真が、それが事実である事を示していた。

「フフッ・・・イカれたやつらだ。世界政府に、喧嘩を売るなんてな。一度こいつらに会ってみたいもんだ」

「なんでも、ニコ・ロビンを取り返しに、わざわざエニエス・ロビーに乗り込んだそうで」

「なるほど。それなら納得だ」
さらりと言ってのけるローに、シャチは少し驚いた様子で返す。

「そうですか?仲間のためとはいえ、全滅覚悟ですぜ?死んでも助けたいって気持ちは分かりますけど」


シャチが述べたのは一般論・・・

ローは、落ち着いた様子で聞き返した。

「じゃあお前は、ペンギンが政府に持ってかれたら追いかけないのか?」

「追いかけますよ絶対に!!」

必死で言い返すシャチに、口角をあげつつ、ローはさらに問う。

「そう思うのはお前だけじゃないだろう?もちろん俺もそうだし、俺の船には仲間を見捨てるような奴は乗ってねぇ・・・だろ?」

「そうですね」

シャチは妙に納得して、大人しくなった。ローはシャチの肩に手を置き、会話を続ける。

「世界政府に逆らうなど、イカれてるにもほどがあるが・・・仲間を救うためならそりゃあ当たり前の事だ。実際、俺たちが同じ立場だったら、お前は率先して出て行くだろう?・・・なぁ副長?だから俺はお前を副長に選んだんだ」

ローから向けられた真っ直ぐな言葉と、瞳にシャチは胸の奥が熱くなるのを感じた。

ローは肩をポンポン叩いて、冗談めいた口調で

「もちろん、お前が取っ捕まってもキッチリ助けてやるよ」

と言った。その口許は、何時ものように不敵な笑みをたたえていた。

去り際に、耳元で

「まぁ、お前はそんなドジ踏まないだろう?」

と囁いて行かれて、シャチは耳が熱くなった。
部屋を出て行く船長の後ろ姿を目で追いながら、“俺はハートの一員でよかった”としみじみ思う、シャチであった。


〈End〉

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