白ひげの航海の記録(更新停止中)

□イゾウのお小遣い稼ぎ
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白ひげの一行は、自分達の島の一つに停泊している。16番隊隊長イゾウは何時になくご機嫌だった。なぜなら、親父の取り計らいで、この島を離れたら久し振りにワの国に行くことが出来るからだ。故郷に帰るのは数年ぶりだ。
(大分着物が傷んできたから、良い機会だ。新調しよう♪)と今からルンルンしているイゾウはふと自分の財布の中身が気になった。良い物を買わねば長持ちしない。
(ちょっと心もとないなぁ〜よし、久々に小遣い稼ぎに行って来るか?)
寂しい財布を確認すると、不敵な笑みを浮かべ立ち上がり、何やら身支度を始める。数十分後、女着物を綺麗に着込んで、いつもより化粧を濃くしたイゾウが隊長室から現れた。
「き、綺麗っすね隊長〜見とれちゃいやす!!」
「フフッ・・・ありがとう」
声色を変えて返事をし、隊員達に見送られつつ島に渡してある橋に向かう。そこに偶然クリエルが通り掛かった。

「おぉ、イゾウじゃねえか!誰かと思ったぜ〜。き、綺麗じゃねえか!そんな格好で歩いちゃ危なくないか?」
少し頬を赤くして心配そうに問い掛ける。

「私を誰だと思ってるんだい?大丈夫だよ」
また声色を変え、怪しげに笑い、イゾウは島に降りて行った。

「あぁ〜デートしようぜっ!て言いたかったな。まぁ、いいか・・・」
クリエルは残念そうに呟くと、美しい後ろ姿を見送った。


島に降りたイゾウはあえて人気のない路地裏を目指す。
(さぁ〜いいカモはいるかな〜♪おっアイツらいい感じだな・・・どれ、試してみるか)
イゾウは、いかにも悪そうな連中がたむろしている所をあえて通り過ぎる。案の定カモ達は食いついた。

「おい、姉ちゃん!一人かぁ〜?暇なら、俺たちと遊んでくれよぉ」

よし!かかったな!と心の中でガッツポーズをしながら表面上は、怯える乙女を演じる。

「一人でこんなとこ歩いてちゃダメだろ〜?特に美人はな」

若いチンピラ達は、すっかり女装したイゾウにダマされて絡み始めた。
「久々の上玉だぁ、たっぷり可愛がってやろうぜぇ〜〜」

「いやっ離して!」
声色を変えて、抵抗してみせる。本当はこの程度の男共なぞ片手で足りるが、腕力を押さえて非力に見せる。チンピラ達は下品な笑いを飛ばしながら、近くにあった堀っ建て小屋にイゾウを連れ込んだ。
乱暴にイゾウを床に突き倒す。
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