白ひげの航海の記録(更新停止中)
□マルコの災難
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これは、後々海賊王と称されるようになったゴール・D・ロジャーがまだ生きていて、白ひげことエドワード・ニューゲートがその名を世界に知らしめ始めた頃の昔のお話・・・
白ひげ海賊団は、今まで立ち入ったことのない島に来ていた。何組かに分かれて情報を集める。
1番隊隊長マルコは、親しい友人でもある3番隊隊長ジョズと行動を共にしていた。
その島は自然に溢れていて美しい場所だった。しかし自然は時として恐ろしい牙をむく。その洗礼を受けるはめになるとはまだ知るよしもない2人・・・
彼らは水源を探して島を徘徊していた。マルコは悪魔の実の能力をいかして、空からも探索する。すると、どこからか音がした。滝のような響きだった。
音のする方へと急ぐと、森の一部が開けていて大きな滝が眼前に現れた。マルコは大声で森を走るジョズに声を掛ける。
「ジョ〜ズ!そのまま真っ直ぐだ!滝があったよい!!」
ジョズは空に顔を向け手を挙げる。
「おう!わかった!!」
数十メートル走ったところで視界が開け、美しい滝が姿を表した。空を舞うマルコに手を振る。
マルコは目の端でジョズの姿を捉え、自分も地上に降りようとしたその時・・・
急に突風が吹き、マルコは滝に突っ込んだ。そのまま巻き込まれ激流に飲まれる。普通の人間でも滝壺から抜け出すのは至難の技だが能力者ともなればなおさらだ。
マルコは息苦しさからもがくが、水はどんどん力を奪っていき、ついにばたつく事も出来なくなった。意識が徐々に遠のいていく。
ジョズは滝に飲まれたマルコをみて愕然とした。大声で名を叫ぶ。助けにいきたいが、自身も能力者ゆえそれも叶わない。
「誰か〜〜!!誰かいねぇか〜!!」
必死で叫ぶがその声は滝の音に虚しくかき消された。あぁもうダメだ・・・絶望に押し潰されそうになったその時、聞き慣れた声が背中から聞こえた。
「水音がすると思って来てみたら、先を越されたな」
振り返ると、親しくしている隊長の一人、5番隊隊長ビスタの姿がそこにはあった。ジョズの顔には生気が戻り、必死で友人に訴える。
「マルコが滝壺に落ちた!!助けてやってくれ!」
笑顔だったビスタの顔色が一瞬で曇る。
「何!?そいつはマズいな!!すぐ助けてやる!」
ビスタは急いで着ていた服を脱ぎ、パンツ一丁で湖に飛び込んで滝壺を目指した。ある程度近付いたところで水中に潜る。